猫耳姫とメガネ王子

☆☆☆

薄暗い階段をおりきって、灰色の冷たく重たい扉を開く。


「壱……?」


そっと顔を覗かせると、左側のテーブルに向けて立ち作業を進める壱の後ろ姿が見えた。


やっぱり、邪魔かな?


張り詰めている雰囲気に戸惑いつつも、そっと足を入れる。