猫耳姫とメガネ王子

「唯!」


玄関を開けかけたとき、後ろからそう呼ばれ、私は一瞬固まってしまう。


カタカタと、まるでロボットのような動きで振り返る。


「唯……その、もしよかったら……」


壱は真っ赤な顔をして、しどろもどろに言葉をつむぐ。