「唯……」


起きぬけに好きな人の名前を呼べることがこんなに幸せなものなのだと、俺は初めて知った。


そっと髪をなでて、唯を起こさないようにベッドを出る。


時計を見ると午前8時を指していて、

休日だからと言って少し寝すぎたかなと思いながら、パジャマを着替える。


こんなにのんびりとした朝は久しぶりのことだった。


研究と勉強に明け暮れていたため、昼も夜もない生活を送っていたせいだ。


そういえば……。