猫耳姫とメガネ王子

「唯、起きろよ」


そっと揺さぶってみる。


すると、何を勘違いしたのか俺の手を掴んで、

大切なものを胸に抱きかかえるように、ギュッと力を込めたのだ。


その拍子に、唯の胸が俺の腕に押し付けられる。


「……唯? 誘ってんの?」


わざとかと思い、唯の顔を覗き込む。


けれどやっぱり、完全に寝ているようだ。