猫耳姫とメガネ王子

その瞬間、耳だけは敏感にピクピクと動く。


外敵から身を守るために必要な敏感さ。


だけど、それを持っている当人はどちらかと言うと鈍感で、

全くもって野生の感なんてものは持ち合わせていなさそうだ。


「ん……壱……」


ゴロンとこちらへ向けて寝返りを打ち、呟く。


その可愛い寝言に、心臓がトクンッと跳ねた。