猫耳姫とメガネ王子

「ほら唯、口をあけて」


アゴを親指と人差し指で持たれ、クンッと上を向かされる。


まるでそのままキスしてしまいそうなシチュエーションに、私はぎゅうっと強く目をつむる。


心臓は破裂寸前、頭の中は真っ白。


だから――「唯、くち」その言葉に、素直に従ってしまった。