猫耳姫とメガネ王子

いくら体に悪影響がないとは言え、この気味の悪い物を飲むなんて……無理!!


青ざめて、横に強く首を振る私の前で、壱がカパッと蓋を開けた。


その瞬間、異臭がブワッと立ち込めて――なんてことにはならず、ほんのりと甘い香りがマスクの中まで漂ってきた。


「あれ? 案外いい匂い」


そう言い、マスクを外してクンクンとかいでみる。


なんだか、知っている匂いな気がするけれど……なんだっけ?