猫耳姫とメガネ王子

頭の中ではカッコイイ大人の男に抱きしめられている自分がいる。



「ついに私も女になるのね」



なんて、ウルウルしながら夢心地――だったのに。



「お前は最初から女だろ」



という声が聞こえてきて、ギョッとして振り向く。



すると、窓にぴったりとはまるように身を縮め、窓枠に手をかけて大勢を保っている壱がいたのだ。