『せーなっ♪
帰ろ!』

私はせなに手を伸ばした。

『え‥?
あ、うん。』

戸惑いながらも、せなはその手をとる。

『どっか痛いとこは?
怪我ない?
あ!制服汚れてるし!』

思い返せば私はこの頃から変に心配性‥いや、お節介だったんだろうな。

『‥気持ち‥悪くないの?』

『なにが?』

『腕‥切ったりしてるから‥‥』

せなは俯きながらこの時話したから、どんな顔をしてるか分からなかった。

でも‥そんなせなが

可愛くて

守りたくなった。

女同士でおかしいかも知れない。

いや、おかしい。

だけどせなは私の親友だから‥。

こんな細くて小さな体でたくさん堪えたんだろう。

私は思わずせなを抱きしめた。

『‥頑張ったね。
もう一人で悩まないで?
私が居るから‥。』

そう言ったらせなは泣き崩れた。

子供みたいに泣いていた。