隣の先輩

「本当、悪かったな」




 そう言うと、先輩も和葉さんと一緒に出ていっていた。

 時計が時間を刻むごとに心臓がどきどきしていた。


 時間が必要以上に進むと、心臓がどうにかなってしまうのではないかと思うほどだった。


 先輩のいった後からが明日だったら心臓がもたない気がした。


 そのとき、静かな家の中にチャイムが響く。


 私は真っ先に玄関まで行っていた。そして、扉を開ける。


 そこには先ほどと同じ制服姿の先輩が立っていた。


 でも、インターフォンで応じなかったからか、驚いたように目を見開いている。


 私はそのとき始めて、インターフォンを使わなかったことに気づいた。


 でも、先輩は笑顔になると言葉を交わす。


「今週末、一緒に遊びに行かない?」