「真由さんは稜と同じ高校なのよね?」 「はい。学年は違いますが。私は一年なので」 「そっか。もうあの子も三年生だからね。まだ子供染みているところもあるけど」 子供染みているというのは彼女が親だからそう思うんだろうか。 それとも、実際の彼はそんな人なんだろうか。 聞きたいことはあるのに、言葉が出てこなかった。 「もしよかったら、これをご家族でどうぞ」 彼女が差し出したのはお菓子屋さんの袋だった。でも、雨が降っていたからか、少し濡れている。