隣の先輩

 私は振り返ると頭を下げた。


「はい。安岡真由です」


 そう言うと、頭を下げる。


 いつかの先輩と同じようなことをしていると言ってから気づく。


「初めまして。私は西原和葉といいます」


 彼女はそんな私を笑うことなく笑顔でそう返事をしていた。


 そのとき、ふと疑問に思った。


 彼にはお姉さんがいたんだろうかということ。


 そんな話は聞いたことがなかったけど、苗字が同じということはそうなんだろう。


 でも、従姉弟という可能性もある。


「西原先輩のお姉さんですか?」


 念のために聞いてみることにした。彼女は驚いたのか、目を見開いていた。