隣の先輩

 お昼から急激に曇ってきて、学校が終わる頃には雨がしとしとと降っていた。


 天気予報で雨と言っていたこともあって、傘がなくて困るということはなかった。


 私はいつものように途中で愛理たちと別れると、家に帰ることにした。


 よくやく見慣れた茶色のマンションが視界に入ってくる。


 そして、いつものように五階までエスカレーターで上がったときだった。


 いつもは殺風景な場所に髪の毛を肩の下まで伸ばした細身の人の姿を見つける。


 私は首をかしげながら、自分の部屋の前まで行くことにした。


 私の部屋の前まで来たとき、壁にもたれかかっていた女性の視線が私に向く。