「違いますよ。誰がそんなことを」
「愛理と俺も思った」
愛理はまだ勘違いをしていたのか。
「そうじゃなくて、ただ仲良くなりたいなって思ったんです。そういうことってあるでしょう?」
友達と仲良くなりたいというような気持ちに似ているかもしれない。
でも、好きという気持ちとはどこか違うようなそんな気持ちだった。
「なんとなく分かる気がするけど、君の態度だと完全に逆効果だと思うよ」
依田先輩は肩をすくめて笑っていた。
「そうですか?」
「そう。今の態度だと、君が稜を嫌っているってことでも納得できそうだし」
「嫌ってなんかいませんよ」



