隣の先輩

 待ち合わせ時刻に外に出ると、そこには先輩の姿があった。


 彼は外を眺めていて、私が来たことに気づいていないようだった。


「西原先輩」

 その言葉に彼は振り向くと、私を見た。


「ごめん。ぼーっとしていて」


 私は首を横に振る。


 先輩の髪は寝癖なんかほとんどないくらいさらさらしていた。


 あまり髪の毛をしっかり手入れをするようなタイプには見えないので、もともとそういう髪質なのだろう。


「行こうか」


 彼の言葉にうなずいていた。