「三組か。安岡、は同じみたいだな」


 彼の視線がある一点でとまる。そこに書かれていたのは私の名前。


 その後、森谷君が笑っていた。その理由はすぐに分かる。


 私の前と後に書かれていた名前を確認したんだろう。


 なんとなく進路の希望を出したときに分かってはいたが、森谷君だけではなく、愛理や咲とも同じクラスだった。


「おはよう」


 凛とした声が響いていた。そこにはいつものように背筋をピンと伸ばしている少女の姿があった。


 その傍らには長い髪の毛を二つに結っている少女を見つける。


「同じクラスだったよ」


 私は二人に対して言葉を向ける。


 二人は笑顔を浮べている。


 そのとき私の目の前に桜のひとかけらの花びらが舞うのが見えた。


 入学式のときも同じ桜を見た。


 懐かしい記憶をなんとなしに思い出す。