隣の先輩

 彼女の言葉が何度も頭の中で繰り返されていた。


「安岡?」


「ごめんなさい。あの人たちは?」


「中学のときのクラスメイト。変なこと言われて悪いな」


「いいえ。いいんです」


 私は首を横に振る。


「行こうか」


 私は先輩の後ろを歩きながらも、ずっと考えていた。


 先輩を困らせてしまうかもしれない。


 もう今までみたいに接してくれなくなるかもしれない。


 宮脇先輩は気持ちが届かなくても関係が壊れることはないと言っていたけど、私と宮脇先輩じゃ、先輩との関係も違う。


 過ごした年月があまりに違うんだってことも頭の片隅にあった。


 今までの友達関係があった故で、二人の今の交友関係が続いている可能性だってある。


「何食べようか?」


 と先輩が聞いてきた。


「軽いものがいいかな」


 そう言ったとき、さっきより辺りが暗くなっているのに気づいた。


 空を見上げると、いつの間にか灰色の雲が空を覆っている。


「とりあえずどこかに入ろうか」


 歩き出そうとした西原先輩の手をつかんでいた。