隣の先輩

「そうだな。どうせ、依田にでもつれてこられたんだろうけど」


 先輩はそうさらっと言っていた。依田というのは多分愛理のことなんだろう。


 私のために学校にきてくれたのだから、あたっているようなあたっていないようなそんな感じだった。


「テストの勉強とかしているのか?」


「していますよ」


 先輩は目を細めていた。


「そっか」


 そう言うと、先輩は歩き出す。


 私はそんな先輩の後姿を眺めていた。


 今までのように二人とも制服を着て、こうやって歩くというのも最後になるんだ。


 そう思うと、やっぱり不思議な気分になってくる。


 あっという間に家に到着した。私の家の前で、先輩は足を止める。


「受験さえ終わればいつでもいいから、買い物につきあってやるよ」


「はい」


 私はその言葉にうなずいていた。


 先輩はノブに手を回す。でも、ノブが回ることはなかった。先輩は鍵を取り出して鍵を開ける。


「またな」


 そう言うと、先輩は家の中に入っていく。


 私はその先輩の後姿をただ見守っていた。




 それからしばらくして、先輩への合格の連絡が届いた。宮脇先輩も合格したらしい。