隣の先輩


 私がその理由を聞く前に、宮脇先輩が動く。


 彼女は自分の机のところまで行くと。置いていた花や鞄を手に取る。


「私たちは一足早く帰るね」


 愛理と宮脇先輩は出て行ってしまった。


 二人は面識があるだろうから、約束をしていてもおかしくないけど、あまりに唐突な気がした。


「愛理」



 驚いた依田先輩も私たちに声をかけると咲を見た。


 咲が動くのを待って、依田先輩と咲が一緒に出て行った。


 出て行く前に咲が慌てたような表情を浮べているのを見て、愛理の考えていることが分かってしまった。


 はじめから私と先輩を二人きりにするつもりだったんじゃないかということ。


 西原先輩は立ち上がると、咲が閉めた教室の扉をじっと見ていた。


「あいつら、何だったんだ?」

「さあ」


 多分、私と先輩を二人きりにさせるためなんだろうとは言えずに曖昧に返事をした。


 そのとき、閉まったと思った教室の扉が開く。そこに立っていたのは愛理だった。


「ごめん。すっかり忘れていた」


 彼女はニッと笑うと、鞄からデジカメを取り出した。


「寄って。写真を撮ってあげるよ。高校の思い出にね」


 私は先輩が写真嫌いなことをとっさに思い出す。