隣の先輩

 そこには雪が少ししか積もってはいなかった。ざっと探したけど、あのピアスはない。


 私は残り二つのベンチの近くを探したけど、雪が隠してしまったのか、その存在を見つけることができなかった。


 後はブランコと滑り台が目立つ造形物や他にキャッチボールのできそうな場所がある。


 私の足は自然にブランコに向かっていた。


 その冷たい鎖に手を伸ばす。外気と同じように冷えていて、手にその冷たさが伝わってくる。


「どこに行っちゃったんだろうね」


 私のしていることは余計なお世話だって分かっている。それでもこういう忘れ方はしてほしくなかった。


 宮脇先輩はずっと一緒にいられるんだから。


 私は探すために辺りの雪に触れる。


 宮脇先輩は小さいからと言っていた。


 でも、それは逆もあるんだってこと。


 こんな雪が降る悪天候の日に、ピアスが見つけられる可能性って低いと思う。


 それでも、普通は見つけられないものが見つけられたら、それは諦めなくていいということだって思った。