隣の先輩

 宮脇先輩のお兄さんの悠真さんが私の分まで食べ物を奢ってくれるらしい。


 私が「帰るからいい」と言っても、私と先輩が一緒にいたからか、強引に連れてこられてしまった。


 話というのは宮脇先輩の志望大学のことで、悠真さんはここ最近はその辺りに行ったことがないので、どういうところかを先輩に聞きたいみたいだった。


「本当、ごめんね」


 宮脇先輩はそう言うと、オレンジジュースを差し出してくれた。


 先輩と悠真さんは少し離れた場所に座っている。


 そうなったのは宮脇先輩がそうしたがったから。



「いいですよ。家を出るとなると大変なんですね」


「お兄ちゃんが心配しすぎだと思うんだけどなあ。呆れるくらい過保護なんだよ」


 宮脇先輩は苦笑いを浮かべている。


 先輩が一緒とはいえ、一人暮らしなのだから心配はしてもおかしくないと思う。


 宮脇先輩は綺麗だし、その分、危ない目にも遭ってしまうかもしれない。


 私がお兄さんの立場でも心配してしまうと思うからだ。


 そんなに離れていないので、二人がどんな会話をしているかは聞き取ることができた。


 さっきから先輩と周囲のことを話をしている。場所とか、治安とか。病院やお店は近くにあるのかといったことまで。


 先輩は悠真さんの質問には丁寧に答えている感じがした。