隣の先輩

「久しぶりだね」


　宮脇先輩も笑顔だった。


　私が先輩を見ると、先輩は驚いたような顔をしていた。


　でも、ショックを受けているというよりは本当に驚いただけの顔をしていた。


　先輩が頭を下げる。



「久しぶりです」


　そう言うと先輩は頭を下げる。


　知り合いなのかな？


「この子は？」


　と言ったのは宮脇先輩の隣に立っていた男の人。


「私の学校の後輩よ。稜の隣に住んでいるんだって」


　彼はその言葉に笑顔を浮かべる。


　すごくきれいな人で、その顔を直視できなくなって、顔を背ける。


　目が合った宮脇先輩に話しかけることにした。


「あの、この人は誰なんですか？」


「私のお兄ちゃん」


　お兄ちゃん？


　もう一度、その人を見る。


　宮脇先輩と同じ黒髪をしていたが、顔立ちはほとんど似ていない。