隣の先輩

 すぐに人の流れがなくなる。


 でも、まだ教室には人が残っていたのか、途切れた流れを補充するように見覚えのある人が出てきていた。


 出てきたのは西原先輩と依田先輩。


 でも、私は気付いてしまった。


 彼は「友達」の前ではこうやって笑うんだと気づかされた気がした。


 屈託なく、顔を崩して笑う。


 私に対して話しかけてくれたのは先輩の顔だったということ。


 何度か出会っただけで、友達というわけじゃない。


 それは当たり前で、私が今朝、必死に髪の毛を整えたみたいに、やっぱり友達とそうでない人に対しては態度が変わるのは当たり前だから。