隣の先輩

「どうして稜が写真を避けるのかなって話をしていたのよ」


「嫌いだからだよ」


 先輩は顔を真っ赤にして、そう言っていた。


 いつも穏やかな先輩が明らかに動揺しているのを見て、おかしくなってきた。


 私が笑ったのに気づいたのか、先輩は目をそらしてしまった。

「別に嫌うことなんかないのに。思い出の一端だと思えばよくないですか? 別に人に頻繁に見られるものでもないし」


 先輩は反論する気がなかったのか、それ以上何も言わずに部屋に戻ってしまぅた。


「怒っちゃったのかな」

「恥ずかしいだけよ」


 そう言うと和葉さんはおかしそうに笑っていた。


 先輩が写真が苦手なんて意外だった。


 すごく可愛かったのに。


「続き見る?」


 先輩はアルバムを部屋に持っていけばいいのに、そのまま入ってしまった。


 だからアルバムはまだ机の上にある。

「じゃあ、少しだけ」


 先輩に悪いなとは思いながらページをめくる。


 私の手は小学生らしい姿をした先輩のところでとまる。


 それは先輩が可愛かったというよりは、その隣にいる少女に惹きつけられたからだった。