隣の先輩

 私のさっきの疑問が確信に変わる。


「えっと、これは」


 曖昧な言葉を口にして、頭の中でその疑問を整理する。


「可愛いけど、先輩、写真を避けていません?」


「やっぱり? この子ね、写真が嫌いらしいのよ。小さい頃の写真はいつもそんな感じで」


 先輩って変わっていたんだ。写真くらいそんなに嫌わなくてもいいと思うんだけど。


 でも、あらゆる方法で写真を避けている先輩はそれはそれで可愛いかもしれない。


「裕樹は好きじゃないみたいだけど、拒みはしなかったですよ」


 裕樹はあまり逆らったり、抵抗したりはしない。


 いい子といえば聞こえはいいけど、何事にも無関心だから、写真を拒むことも面倒とか思ってそうな気がする。


 そのとき、玄関の開く音がした。すぐにリビングの扉が開く。


 そこに立っていたのは先輩。


 先輩は私を見て、驚いたような顔をする。


「どうかした?」


 でも、そう問いかけた先輩の視線はすぐに私たちの手元にあるアルバムに向いていた。


 先輩は無言でテーブルまで来ると、すぐに閉じた。



「どうしてこんなものを人に見せるかな」