隣の先輩


「違うよ。学校までの道のりがちょっと分からなくて、覚えるまで一緒に登下校をしようってことになったの」


「意外。先輩って優しいんだね。また明日ね」


 咲と愛理は一緒に教室を出て行った。


 優しいか。それって私だからとかだったりしないのかな。


 そんなちょっと恥ずかしいことを考えていると、先輩が出てくるのを待ちきれなくなっていた。



 教室から隣の教室を覗く。


 そのとき、隣の教室の扉が開き、多くの人が外に出てきていた。