隣の先輩

 小さかったので、手で握ると解けてしまいそうだった。


 私はベランダから顔を覗かせると、先輩を呼んだ。


 先輩はまだそこにいてくれていて、私を見ると目を細める。


 私は手すりの先輩との家の敷居のところに自分が作った雪だるまを置いた。


 すぐ隣には先輩の作った雪だるまがある。


「一緒ですね」


 私の言いたいことが分かったのだろう。先輩も目を細めて笑っていた。


 頬にまた冷たいものが触れた。


 私は思わず目を細める。


 さっきまでちょっと目に映る程度の雪だったのが、ほんの少しだけ降り積もる雪の量が増えていた。


 もう少し雪が降り続けてくれればいい。


 そう思うと、先輩の家に戻っていた。


 先輩は少し苦笑いを浮かべていた。



 私も同じことをしているとは思わなかったんだろう。

 雪だるまは私が好きだって言ったもの。


 先輩はあんな他愛もない会話を覚えていてくれたんだろうか。


 偶然かもしれない。


 私は空を見上げている先輩に視線を送る。