隣の先輩

 私が勘違いをしそうになったみたいに。

 でも、それは悪気があるわけじゃない。


 それは好きになったほうの一方的な言い分でしかないんだってことも分かっている。


 ただ、先輩は優しいだけだからだ。


 その優しさには打算があるわけでもないことは分かっていた。


 でも、そういうことがものすごく辛い気持ちにさせる。


 それは先輩を「好き」になってしまった宿命のようなものだった。


 きっと宮脇先輩と先輩の間にも何かがあったんだろう。


 好きだから、あんなに宮脇先輩が寂しい想いをしてしまうのかもしれない。


 そして、やっぱり先輩に悪気はない。


「先輩」


「どうかした?」

「人を好きになるって悲しいですね」


 私の視線は赤く空を染めていく光に向けられていた。


 その光が放つ、独特の感覚のせいだろうか。


 人を好きな気持ちは、今まで以上に悲しいことのような気がしていた。