隣の先輩

 そう言うと、宮脇先輩は寂しそうに笑っていた。


 そんな彼女の表情に胸が痛む。


 先輩は好きな人がいるって言っていた。


 私にはどうみても先輩の近くにいる女の人は宮脇先輩としか思えなかった。


 宮脇先輩のことが好きだったら、全て納得できるような気がする。


 私もすっきりと諦められる気がした。でも、違っていたら誰なんだろう。


 同じクラスの人?


 それとも私の知らない人?


 でも、考えようによっては今は宮脇先輩のことを好きという可能性だって十分にある。


 それを宮脇先輩が知らないだけかもしれない。


「ごめんね。本当に私のことは気にしないで」


 そんな宮脇先輩にそれ以上、変なことを言えなかった。彼女の心を乱すだけだと分かっていたからだ。


「はい」


 私はできるだけ笑顔でいようと心がけた。


 宮脇先輩は私の肩を軽く叩く。


「私は教室に戻るね」


 彼女の言葉にうなずくと、彼女はすぐにその場を立ち去っていく。

 私はその場から動けずにいた。