隣の先輩

 もっと自然に聞ければいいけど、私にはその方法が分からなくて、延々と考えていた。


 そのとき、背後に人の気配を感じ、同時に声をかけられた。


「何、ボーっとしているの?」


 振り返ると、そこには母親の姿があった。


 洗濯物の入ったかごを持っていたので、洗濯物を取り込んでいたのだろう。


 そのとき、リビングの隅から笑い声が聞こえる。


 笑っていたのはもちろん裕樹だ。


 自分と同じ言葉を母親がかけていたのがおかしかったのだろう。


 それも、あれからまだ十分も経っていない。


 しっかりしようとした端からこれじゃだめだなって思う。


 とりあえず悩むのは部屋に入ってからにしようと決める。


「今日は何作るの? 手伝おうか?」



「別にいいわよ。一人のほうが早いし。というか真由、中間テストも悪かったんだから、勉強しなさい」


 悪いって、クラスの中では中の上くらいなのに。



 確かに愛理たちに比べると悪いし、悪いといっている母親に中の上だからと言っても納得してもらえるわけもない。