隣の先輩

 そう言ったけど、宮脇先輩は気になるみたいだった。


 でも、この重い荷物を持ってもらうのは忍びなくて、弟への誕生日プレゼントの入った紙袋を見た。


 そこには時計が入っている。これなら軽いから大丈夫かな。


 持ちにくかったこともあって、先輩の言葉に甘えることにした。


 紙袋って潰れないように持つと、持ちにくいから。


「これをお願いします」


 私は紙袋を宮脇先輩に差し出す。
 彼女の細い指先が、紙袋に通されている紐に絡む。


「無理に持つと言ってごめんね」


 少し申し訳なさそうな顔をしていた。


「そんなことないですよ」


 そのとき、信号が青になる。


 私たちは歩き出すことにした。



「今日、弟の誕生日なんです。何がいいか分からないから時計を買おうかなと思って。この前、時計が壊れたと言っていたから」