隣の先輩

 明るい笑顔とは対照的に、西原さんは困ったような笑顔を浮かべていた。


「お前はテンション高すぎて疲れるんだよな」


「たまたまだって。というかお前が低すぎんじゃない?」


 そのとき違和感を覚えた。何かは分からないが、多分、西原さんがいつもと違う人みたいに見えたからだ。


「真由?」


 その二人の声を静かにしてしまうような声が響く。


 澄んでいて、人柄を伝えているような優しい声だった。


 振り返ると、そこに立っていたのはふんわりとした髪の毛をした咲だった。


「おはよう」