隣の先輩

 宮脇先輩が何かを思い出したように口を開く。


「安岡さんって弟さんがいるの? 稜に聞いたんだけど」

「いますよ。今、小学校六年です」

「そうなんだ。私も弟がいるんだ。今、中二」


 そこまで言って宮脇先輩は首をかしげる。


「あ、同じだね」

「何がですか?」


 中二と小学校六年の共通点がよく分からなかった。


「年齢差。四歳差だから。でも、私にはお兄ちゃんがいるから、違うといえば違うんだけど」



 そう言うと、苦笑いを浮かべていた。


 宮脇先輩のお兄さんに弟さん。


 そう聞いて、真っ先に思ったのは、やっぱり二人とも顔が整っているんだろうなってこと。


「弟さんって好き嫌いあったりする?」

「いえ。裕樹はほとんど好き嫌いないですよ」