振り返ると、そこには宮脇先輩の姿があった。


 彼女は買い物をしてきたのか、小さなビニール袋を持っていた。


「お久しぶりです」


 何度か顔を合わせることはあったが、話をするのは久しぶりだった。

 私が見ていたものに気づいていたんだろう。


「そろそろ冬物の時期だね」


 そう言うと、宮脇先輩は笑顔を浮かべる。


 宮脇先輩くらいだったら、どんなものを着ても似合いそうだと思う。


 かっこいい感じの服はもちろん、可愛い感じの服でも、必要以上に甘く見せずにすみそうな感じがするから。


 浴衣だって、すごく女らしくて素敵だった。


 一気に子供になる私とは全然違う。


 愛理の家で見た先輩の中学のときの写真も可愛かったから、小学校のときも可愛かったんだろうなって思う。


 子供のときからずっと一緒にいて、これからも、大学に受かれば先輩は宮脇先輩とまた四年間一緒なんだということ。