隣の先輩

「真由ちゃんは誰かさんと違って優しいよね」


 私が動けないことに気づいたんだろう。そう言うと、笑顔を浮かべていた。


 思わず顔がにやけてしまいそうなくらい可愛い笑顔だった。


 少し離れた場所まで行っていた西原さんがこっちに戻ってくる。

「一年生にあまり言い寄るなよ。迷惑がっているって」


「そんなことないよ。ね?」


 そう言うと、あっけらかんとした笑顔を浮かべている。


 西原さんは呆れたのかため息を吐いていた。


「あの、お友達ですか?」


「そう、大親友」


 そう言うと、その人は西原さんの首に手を回す。