隣の先輩

「いいよ」


 私はその言葉にほっとして、先輩の隣に座った。


 そこは静かだった。


 何も聞こえないというわけではなく、時折、車の駆ける音や人のざわつきを感じる。


 でも、気になるほどではなくて先輩と二人でいるんだって強く感じていた。


 先輩はパンを食べていたんだろう。


 食べかけたパンを手に持っていた。


「いつもここで食べているんですか?」

「いつもは学食なんだけど、最近ちょっといろいろ面倒でさ。一人になりたくて」

「何かあったんですか?」


 私が問いかけると、先輩はため息を吐いていた。


「今は受験のことで、頭がいっぱいなのに、つきあってほしいとか言われて。今はそこまで考えが回らないから。クリスマスとかどうでもいいし」


 女の子につかまるのが嫌で逃げてきたんだ。


 この前、告白されるのを見たけど、あれは珍しいことでもなかったのかもしれない。