隣の先輩

「だって先輩と仲いいみたいだし」


「仲がいいというかたまに話をするだけだよ。真由や愛理のほうが仲がいいと思うけど」


 そこで咲は言葉を区切る。


「変なこと言っていい?」


「うん」

「私と先輩が買い物に行った日、真由は後を追いかけてきたんだよね。そのときに私と先輩の話を聞いていた?」


 愛理に聞いたんだろう。


 一瞬嘘をつこうか迷った。


 私には言えないといっていた話を思い出したから。


 でも、先輩とのことあったから、それじゃいけないと思ったのだ。


「聞いた」


「どこを聞いたのかは分からないけど、そう思ったのはそれが原因?」


 私は咲の言葉に頷いていた。


 彼女はしばらく難しい顔をしていた。


 そして、しばらくして口を開く。



「私、好きな人がいるんだ」


 突然内容が変わった話に驚き、顔を上げる。


 その話はあのときの二人の会話とリンクする。


 咲は少し恥ずかしそうに笑っていた。


「西原先輩とか?」


 私の問いかけに咲は苦笑いを浮かべて、肩をすくめていた。