隣の先輩

 彼の目には私は子供としか映っていないのかもしれない。


 きっと、先輩のクラスには大人っぽい女性とかもいたりするんだろうな。


「分からないことがあったら、何でも聞いてくれてかまわないから」


「ありがとうございます」



 大人びていて、こんなに優しくて、本当にいい人なんだと思う。


 学校に近づくにつれて、人が多くなってきた。


 まだ、クラスメイトの顔も席が近くの人しか覚えていないので、クラスメイトがいるかは分からない。


 そのとき、テンションのやけに高い声が聞こえてきた。


「おはよっ。稜」


 西原さんが名前で呼ばれたということくらいはすぐに分かった。