隣の先輩

 先輩の瞳は強く閉じられている。


「先輩、眠っている」

「起こせば?」


 愛理はあっさりとそう言う。


「無理。こいつ起きないから。こいつって寝起きがめちゃくちゃ悪いし」


 依田先輩はそう返す。


 依田先輩も先輩の寝起きの悪さを知っているんだ。


「どうかした?」


 いつの間にか依田先輩を見ていたようで、先輩は不思議そうに私を見る。


「私たち、先に行っているね。後でお兄ちゃんにでも案内してもらって。先輩のことは任せるから」


 私たちが話をしていると思ったんだろう。愛理と咲はそう言うと、階段を上がっていく。


「あ、真由ちゃんもあいつの寝起きの悪さ、知っているんだ」

「この前一緒に遊びに行ったとき、起きなかったから」