隣の先輩

「それ、水につけておけば?」




 その先輩の声で我に返る。


 花火はもう終わってしまっていた。


 折角火をつけたのに、全然見てなかった。でも、心は花火を見るより明るくなっていた。


「そうですね」


 私は先輩の言葉に笑顔を浮かべる。


 親の許可、か。行きたいけど、さすがに無理だろうな。


 母親は私の気持ちに気づいているみたいだけど、泊まりに行きたいなんて言ったら絶対に反対されそうな気がする。


 かといって日帰りでいける距離でもないみたいだった。


 でも、実際にはいけないけど、先輩の言葉だけで満足だと思えたのも本当だった。


「次はこれでもする?」

 私はその言葉に先輩を見る。


 先輩の手に握られていたのは線香花火。


 私は先輩の言葉にうなずいていた。