いつもどおりに話しかけてくれたことに、ほっとしてしまっていた。
だから、できるだけ言葉に気をつけて、言葉を返す。
「そうですよ。前もマンションだったから、花火なんてあまりできなかったから」
「そっか。俺は祖父母の家ならいくらでもできたから、あまり考えたことなかった」
その言葉を聞き、ドキッとする。
思い出すのは宮脇先輩のことだった。
「それってお父さんのほう? おかあさんのほう?」
「両方」
先輩はそう言うと、明るい笑顔を浮かべている。
「どっちかっていうと、父さんの実家のほうが田舎だから、やりやすいかも」
「この前もしました?」
「してないよ。さすがにそんな年でもないし」
宮脇先輩とはしなかったんだ。
「私も行って見たいな」
そう言ったのは、ただ宮脇先輩と張り合いたいような気持ちがあったからなのか、
先輩のお父さんの実家を見てみたかったからなのかはよく分からない。



