隣の先輩

 知らないのは私だけだったと分かったから、いつものように言葉を返せない。


「花火が出てこないからって覗き込むなよ」


「そんなことしませんよ」


 それって花火の後ろに書いてある注意書きじゃない。


 本当、先輩にとって私は子供なんだろうか。


 花火の先端に火がつき、一気にカラフルな火花が飛び出してきた。


 私はその場を離れる。

 花火の光が辺りに広がり、辺りを照らし出す。


 さっきまでの暗い気持ちを照らし出してくれるみたいに明るい光。その光を見ていると、少しだけ元気になれるような気がした。


 光に紛れている影を見つける。影の主は先輩で、私が移動してきたとき、先輩も一緒に移動をしてきたみたいだった。


「花火をしたの久しぶり?」


 そう先輩が問いかけてくる。


 顔に出ていたんだろう。