隣の先輩

 二人が帰ってきて、愛理と依田先輩は顔を合わせる。依田先輩がビニール袋を持って戻ってきた。それを愛理に渡す。


「花火しない?」

「花火?」


 愛理はそう言うと、ビニール袋に入った花火を取り出す。


「人からもらったんだけど、みんなでしたほうが楽しいし」


 私はずっとマンションだったから、花火とかあまりしたことはなかった。


 裕樹と遊ぶことはあるが、やっぱり下と上では違うのかもしれない。


「いいよ」


 私たちは花火をすることになった。庭に出るとそれぞれが好きな花火を手に取っていた。


 私が花火を手に取り、振り返ると、愛理と咲と依田先輩が話をしていた。


 もしかすると、依田先輩もそのことを知っているのかな。


 そう思うと、その輪の中に入って行くことができなかった。


 火のついているロウソクのところまで行く。

 私が選んだのは派手に火花が出てくるタイプのもの。


 火をつけようとしたとき、人の気配を感じる。


 立っていたのはいつもと同じ表情をしている西原先輩。


 先輩はいつもと変わらなかった。でも、私の知らない世界をたくさん持っているんだって改めて気づいた。


 それは宮脇先輩だけじゃない。


 愛理や咲ともだった。