隣の先輩

 考えれば考えるほどよく分からなくなってきた。


 二人に声をかけることができずに、愛理の家に戻ることにした。


 愛理の家に帰ると、持っていたお金を愛理に返した。


「咲たちとは会わなかった」


 そう返すことしかできなかった。


 最近嘘をついてばかりで嫌になってくる。

「そっか。先輩もいくらかお金持っているかな」


 愛理は困ったような表情を浮かべていた。


 本当のことを言ったら、愛理にもそのことを聞いてしまいそうだった。


 私には話したくないことなら、そのことを聞くなんてできないから。


 私が行くなんて言いださなかったら、よかった。


 愛理なら問題なく話しかけることができて、そんな顔をさせなくてよかったのに。


 そう思うと、余計切ない気持ちになってきてしまった。



 咲たちが帰ってきたのはそれから一時間くらい後だった。


 コンビニまでは十分くらいで着く。だから、二人で過ごしていたんだってことだけは分かった。


 でも、話を盗み聞きしてしまったからか、そのことにそれ以上詮索することはできなかった。