隣の先輩

 愛理は思い出したように声を出す。


「あいつらだって持っているだろうし、後から払えば?

 持ってなかったらそのうち帰ってくると思うよ」


 そう言ったのは依田先輩だった。


「でも、気になるから届けてくるよ。今すぐだと追いつけると思うし」

「私が届けてくるよ」


 そう思わず口にしていた。


 もしかすると、やきもちをやいていたのかもしれない。


 そんな権利なんてないのに。


「そう? ありがとう」


 愛理の笑顔に胸が少し痛む。


 二人のことが気になったわけじゃないと言い訳のようなことを考えていた。


 私は愛理からお金を受け取ると、家を出た。


 一応、愛理から一番近いコンビニの場所を聞いておく。


 そこに行くと思うと言われたからだ。


 曲がり角を曲がったとき、咲と先輩の姿を見つけた。


 声をかけようとしたとき、咲の切なそうな声が聞こえてきた。