隣の先輩

 彼女が欲しくて好きでもない人とつきあうよりは絶対にいいと思うから。


「でも、依田先輩はかっこいいし、すぐに彼女ができるんじゃない?」


 私は助け舟を出すような気持ちでそう言った。


 結構、人気があることも知っていたから。


 愛理と依田先輩は驚いたように顔を見合わせていた。


 いつもなら軽い言い争いもあったりするけど、二人とも黙ってしまった。


「何かまずいこと言った?」

「いやー。まあ、ね」

「何でもないよ」


 言葉の順に愛理と依田先輩。


 二人が何を言おうとしているのか、私にはさっぱりだった。



 愛理の作ってくれたごはんはおいしかった。


「料理上手だね」


「そうかな」


 照れたように反応していた愛理を見て、依田先輩が笑顔で言う。


「毎日作っているからね」


「夜ごはんを?」


「夜と、昼のお弁当はいつも愛理が作っているんだ。俺の家は親が共働きだから」


「お弁当も?」


「そう」