隣の先輩

 そんな気持ちを与えてくれた先輩のことがどうしょうもなく好きになっていたってことくらい。


 好きでたまらないってことくらい。


 でも、どこかで認めたくない気持ちがあった。

 私は足の方向を先輩とは違う方向に向けていた。


 逆方向からは多くの人が流れてきていて、流れに逆走している私を変な顔で見ている人もいた。


 でも、そんな目に構う余裕もなかった。


 ただ、この場から離れたかった。


 私は脇道に入ると、先輩にメールを送ることにした。


 体調が悪いから、今日は行けなくなったということをメールには記しておいた。



 先輩からの返事を待たずに家に帰る。


 三分ほど歩いたとき、先輩からの返事が届く。


 約束を反故にしてしまったことに対する文句を書いているかもしれないと思った。


 どこかでそんなことを書いてくれることに期待をしていたんだと思う。