隣の先輩

 浴衣を着て、髪の毛は後方で結ってもらった。


 いつもは鏡の前で笑ったりするけど、そんな気分にもならなかった。


 でも、先輩の前だけでは笑わないといけないとは思う。


 暗い顔をしていると、悩んでいることがすぐにばれてしまいそうだったからだ。


 もし、先輩は宮脇先輩と会って一緒に行こうと言われたらついていくのかな。


 先輩との待ち合わせ時間まで余裕があったからか、そんなネガティブな気持ちが湧きあがってくる。


 そんな気持ちを振り払うために早めに家を出た。待ち合わせ場所に向かうためだ。


 途中から同じ方向に向かうのか、人の数が格段に多くなる。


 待ち合わせ場所が視界に入ったとき、先輩の姿が見えた。


 先輩がいてくれたことにほっとして、彼に近寄って行こうとした。


 でも、私の足は自然と止まっていた。