隣の先輩

「分かっちゃった?」

「なんとなく」


 デートの話などは言い出せなくて、やっぱり宮脇先輩は西原先輩のことがまだ好きだったんだと気づく。


 そんなことは分かっていたはずなのに、やっぱり改めてそう示されるとショックだったりする。

「今日の花火大会楽しんできてね」

「先輩は行かないんですか?」

「まだ決めてない。地元だし、何度も見たからとは思うんだけど。

一応、友達から行こうとは誘われているんだけどね」


 私は宮脇先輩と途中まで一緒に帰る。


 時折、優しく微笑む彼女を見ながら、胸の奥がちくりと痛んでいた。


 先輩は私を誘ってくれた。



 でも、もしかしたら先輩は宮脇先輩に私と一緒のとき、会いたくなかったりするかもしれない。


 そのとき引っかかったのは図書館での先輩の姿だったんだと思う。


 私よりも宮脇先輩に話しかけていたからだ。


 でも、そんな迷いを振り払う。


 花火大会なんて人がたくさんくる。


 だから、宮脇先輩と会わずにすむと思ったからだった。