隣の先輩

「なら、これあげるよ。私は他にも持っているし」

「でも」


 私は彼女の突然の申し出に驚いていた。


「気にしないで、ね」


 私はその髪飾りと、宮脇先輩を見比べていた。そして、うなずく。


 悪いとは思ったけど、どうしてもそれがほしかったからだ。


「ありがとうございます。お金は払いますから」

「いいよ。プレゼント」

「でも」


 さすがにそれは悪い。


 そんな気持ちに気づいたのか、宮脇先輩は肩をすくめる。


「分かった。じゃ、これレシートね」


 私はレシートに書かれた金額を確認してお金を払おうとした。


 でも、小銭がいくらか足りないのに気づく。


 少し多くなってしまうが、お礼の意味を込めて、多めに彼女にお金を渡す。

「おつりはちょっと待ってね」


 彼女は持っていた黒のバッグに手を突っ込む。


「あ、いいです。おつりは」